紀伊半島の環境保と地域持続性ネットワーク 紀伊・環境保全&持続性研究所
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  メールマガジン 第37号

  (2011年7月24日号)

 紀伊半島の環境保全と地域持続性ネットワーク

  会員の皆様へ

 
 
暑中、お見舞い申し上げます。

日頃、ホームページをご覧いただきありがとうございます。

メールマガジン第36(7月24日)号(2011年4月10日号以降の解説)をお届けします。

 

 3月11日の東日本大震災から早くも4ヵ月が過ぎましたが、被災地では、猛暑の中、避難所・仮設住宅で生活を続けておられる方、全てが流され生活の立て直しにご苦労されている方、原発事故のために故郷を追われ、あるいは農業・漁業を営むことが困難となっている方など、いまだに極めて困難な状況が続いています。1日にも早い復旧・復興を願っています。


 今回の大震災と原発事故を考えますと、自然の脅威への過小評価、科学技術への過信と慢心など、多くの反省すべきことが挙げられます。筆者は、大震災の惨禍から、紀伊半島地域においても地震と津波、原発事故など様々なリスクがあり、これらについて、行政まかせ、専門家まかせ、電力会社まかせにするのではなく、一市民としてもっと関心を持ち、監視していくことの必要性を今更ながら考える次第です。この間、時間の許す限り、新聞、雑誌、関係書に目を通したり、関係官署の意見欄に意見を送ったり、当ホームページに記事を掲載してきました。ホームページの記事は、文字ばかり多く、読みづらいかと思いますが、参考にしていただき、共にリスクの最小化について考えていただければ幸いです。

 前号(36号:4月10日)以降に掲載した記事について解説します。記事の内容は次の通りです。

 

1)「紀伊半島地域における地震などの様々なリスクを考える」を掲載。 
2)「紀伊半島地域における地震などの様々なリスクを考える」に地震・津波関係の記事を掲載3)「紀伊半島地域における地震などの様々なリスクを考える」に原発関係の記事を掲載。

4)JR名松線の家城駅〜伊勢奥津間が平成28年に復旧・運行」を掲載。

5)「三重県のため池の生物」に「モノサシトンボ」を追加。 


1)
「紀伊半島地域における地震などの様々なリスクを考える」を掲載

3月11日の東日本大震災で、多くの国民が心理的ショック状態に陥ったのではないかと思いますが、筆者も災害のあまりの凄さに、義援金を送ったり、関係官署の意見欄に意見を送ったり(首相官邸、静岡県、静岡市)と、今までには無いような行動をしてきました。また、夢中で地震や原発関係の報道や資料をあさり、5月の連休を過ぎてやっと当ホームページに記事を掲載しましたが、この間の無理がたたってか、年齢のためか、眼医者に通うはめになりました。

「紀伊半島地域における地震などの様々なリスクを考える」のページでは、紀伊半島地域をめぐるリスクとして、@地震・津波、A原発事故、B台風等の自然災害、C地球温暖化、D財政破綻、E農山漁村地域の社会的経済的疲弊の6項目を挙げましたが、今回は、@とAについて掲載しました。今後、Bから後の項目についても調査し、掲載していきます。

2)紀伊半島地域に大きな被害をもたらした歴史上の大地震と津波

地震と津波では、過去に紀伊半島を襲った事例と、東海・東南海・南海地震を引き起こすフィリピン海プレートの活動と関係して起こる内陸型活断層地震の事例を紀伊半島以外のものも含めて一覧表として掲載しました。この表からも、20世紀末頃から地震活動が活発化しつつあり、東海・東南海・南海地震が近づいていることがうかがわれます。今後、さらに詳細に、過去の海溝型巨大地震の際に、三重県、和歌山県に押し寄せた津波の高さや被害を調べ、掲載していきたいと考えています。

紀伊半島地域における地震などの様々なリスクを考える

http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage30%20Risk1.html

紀伊半島地域に大きな被害をもたらした歴史上の大地震と津波

http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage30%20Risk1-EarthQuake.html
  紀伊半島地域に大きな被害を出した地震と関連する地震(明応大地震以降)リスト(PDF) 
  http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/BigEarthquake.pdf

2)原発事故

原発事故については、2回にわたり記事を追加しましたが、福島第一原発事故の経験から、浜岡原発、および福井県、石川県の原発群で放射性物質を放出するような事故が起これば、紀伊半島の農業、漁業、人々の生活に多大な影響が及ぶのは避けられないとの思いで、記事を掲載しました。特に、浜岡原発については、東海地震の想定震源域の中央に位置するために、東日本大震災における東北地域の原発に対する震度をはるかに超える地震が襲うと考えられることから、大きなリスクが想定されています。浜岡原発で事故が起きた場合には、紀伊半島以上に、首都圏における深刻な放射能被害、日本の大動脈である東海道の寸断、被害を受ける人口の膨大さ、日本経済への底知れぬ影響などから、去る5月6日に、管首相が中部電力に浜岡原発の運転停止を要請しました。

中部電力はこの要請を受けて運転を停止しましたが、防潮堤を築いて再稼働させる計画を立てています。原発が運転停止している中部電力管内では、現在、原発なしでも電力供給が十分できる状態にありますが、それにも関わらず、単に会社の利益確保のために再稼働を計画しています。福島第一原発事故以降、「原発安全神話」が崩れたかにみえますが、まだ、津波さえなければ原発事故は起こらないという「原発安全神話」が生き残っています。「原発安全神話」をはやく脱却して、「原子力の制御は容易ではなく、ひとたび地震などの不測の事態が起これば、原発事故対応は極めて困難である」という基本認識に立つべきではないでしょうか。現在、原発再開を前提とした「ストレステスト」が電力会社、原子力安全・保安院等により計画されています。筆者のような原発の門外漢が技術的な問題を取り扱うのは難しいかもしれませんが、可能な限り関心を持ち、直観的に「これはおかしいのではないか」という監視の目を持ち続けることが大切であると考え、引き続き、記事を掲載していきたいと考えています。

原発事故

http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage30%20Risk1-NuclearPower.html

紀伊半島地域に比較的近い原発リスト(PDF)

http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/NuclearPower-2.pdf

3)「JR名松線の家城駅〜伊勢奥津間が平成28年に復旧・運行」を掲載

 平成21年10月に東海地方を襲った台風18号による土砂災害等のために不通となり、その後、復旧の動きが見えなかった名松線の家城〜伊勢奥津駅間の復旧計画が報ぜられました。これは、沿線住民や地元の津市市民、関係市長、県知事等の努力が実を結び、JR東海が復旧を進めることを約束してくれたものと思います。これには、鉄道周辺の土砂崩れを防ぐ治山工事を三重県が、雲出川沿いの路肩崩壊等を防ぐ水路工事を津市が引き受けるという条件が付いています。いずれにせよ、平成28年を目途に復旧し、全線が開通することになりますので、地元が名松線をライフラインとして、あるいは、外部からの観光客等の呼び込みのツールとして活用し、美杉町、白山町、一志町等の地域活性化に役立てて欲しいと願っています。このためには、地元が率先して、「名松線を守り育てる会(事例)」などを組織し、イベントや乗客確保の方策を考えて実行するなどの活動が必要ではないかと思います。当ホームページでも、名松線沿線の役に立つ様々な記事を掲載していきたいと考えています。

 JR名松線の家城駅〜伊勢奥津間が平成28年に復旧・運行

 http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage2%20LocalRailWaysHukkou.html

 (参考) 三重県のローカル線 名松線 (2009423日掲載)

 http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage2%20LocalTrainMeisho3.html

4)「三重県のため池の生物」に「モノサシトンボ」を掲載

 「三重県のため池の生物」の4回目として、モノサシトンボを掲載しました。2006年春に定年退職し、ため池巡りやため池でのトンボの種数調査をしていて、三重県津市の周囲に雑木林があるようなため池では、大体、20〜25種ほどのトンボ類がいることが分かりました。その中で、昆虫少年であった筆者の子供時代や、その後の現役時代(トンボ採集や調査はしませんでしたが)には出会ったことがなかったトンボがいましたが、前に掲載した「チョウトンボ」と今回の「モノサシトンボ」などの特徴あるトンボ類で出会えて感激しました。今後、他の初対面であったトンボ類や、ため池でキュルキュルキュルと鳴いて子育てをしているカイツブリなどを掲載していきます。カイツブリは鮮明な写真を撮っていないので、時間があれば撮影に行こうかと思っています。

 モノサシトンボ

 http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage30%20TameikeMonosasitonbo2.html

 (参考) チョウトンボ (20091017日掲載)

 http://www.zc.ztv.ne.jp/kiikankyo/newpage30%20TameikeDragonflyCho.html

(2011年7月24日:主宰者記)


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